鳴く虫の飼育方法の基本

<飼育環境>

①飼育容器について

鳴く虫の大きさに合わせた飼育容器を選ぶようにしてください。
例えば、クサヒバリのような小型種は、小~中サイズ程度の比較
的小さめの容器で十分と思います。逆にクツワムシのような大型
種であれば、できるだけ大きな飼育容器が良いでしょう。但し、
クツワムシの場合でも、♂の単独飼育であれば小さめの飼育容器で
も構いません。要は、中に入れる虫の数に合わせた、飼育容器を
用意することが大切と思います。
注意点としまして、キンヒバリやクサヒバリなどの小型種の場合は、
普通の飼育ケースの蓋だと、小さい虫なので隙間から逃げられてしまいます。
飼育ケース本体と蓋の間にシートや布切れなどを必ず挟んでください。
市販のコバエ除けシートも便利で良いと思います。
これは幼虫飼育の場合も当てはまります。
例えば、マツムシの成虫の場合、飼育ケースの蓋の隙間から逃げられる
ことは、まずないと思いますが、マツムシでも幼虫の場合は、逃げられ
てしまいます。ですから、この場合もシートなどを挟まなければいけません。
また、最近はコバエ侵入対策用として蓋に、わずかな隙間しない色々な飼育
ケースが市販されています。これらを使うと、シートなどは不要です。
コバエが侵入しにくいように蓋に、ごく小さくてわずかな隙間しかないからです。
ただ、その分、鳴く虫の音色は少し聞こえにくくなります。

②隠れ家について

その種類に応じた、隠れ家になるような物を入れてください。
種類によって異なりますが、ススキや笹を切ったものを土やマットに刺したり、
草や木の葉などを入れたりするのが良いでしょう。
竹を半分割ったような物でも構いません。
色々自分で試してみるのも面白いと思います。
又、炭は脱臭効果もありますので良いと思います。
これらは隠れ家と同時に足場にもなりますので、虫を落ち着かせる効果があります。

➂置き場

直射日光の当たらない風通しの良い涼しい所に置いてください。
風通しが悪いとカビなどが発生しやすく、良い状態が保てません。
蒸れにも注意が必要で、密閉性の高い容器に入れて、日当たりの
良い場所に置くと、蒸れてすぐに死んでしまいます。
鳴く虫にとって蒸れは大敵です。 
密閉性の高い飼育容器は、鳴く虫の飼育には、あまり向いていません。
また、カンタンのように、種類によっては鳴かなくなる場合もあります
ので、置き場所は大切であります。

<エサ>

①野菜類

鳴く虫はキュウリ、ナス、など野菜類なら何でも食べます。 
また、リンゴも良く食べますので、与えても良いですが、
種類によっては多少の好みもありますので、合った物を
選ぶと良いでしょう。(キリギリスは玉ネギを好みます)
色んな種類の野菜を与えてみて、どんな種類をよく食べる
のか実験してみるのも、面白いかもしれません。
野菜は、そのままじかに置かずに小皿の上に置いたり、
竹串に刺すなどして、少しでも宙に浮かせた方が長持
ちするので良いでしょう。
特に真夏の高温時は野菜が傷みやすいので、毎日交換
した方が良いと思います。
気温が高い時季はキュウリよりも、ナスの方が若干、日持
ちがします。
この野菜類を与えた場合は、野菜から水分を摂取しますので、
特に霧吹きなどは必要ありません。
逆に、野菜類を与えない場合は、水分補給が必ず必要です。
小さな種類は、水切れするとすぐに死んでしまいますので注意が必要です。

②天然の草の葉

クズの葉はマツムシとクツワムシの良いエサとなります。
クズの葉は市街地にも普通に自生していますので、比較的入手
しやすい大変便利で優秀な、鳴く虫のエサとなります。
マツムシは枯れたクズの葉を好んで食べます。
マツムシの幼虫の画像を参考にして頂きたいのですが、葉脈まで食べます。 
クツワムシは生のクズの葉を好んでよく食べ、茎まで食べます。
また、枯草も時々食べます。クズの葉以外にも、マメ科植物の枯葉、
落葉広葉樹の枯葉なども食べます。また、カンタンもクズの葉を少し食べます。
ツユクサも良いエサになります。クツワムシやキリギリスはもちろんのこと、
マツムシも生で食べます。

➂動物質のエサ

(煮干し・鈴虫のエサ等)
動物質のエサを必ず与えてください。
煮干し、削り節などを与えてください。
但し、クサヒバリやキンヒバリのような小さな種類は、煮干しは少し硬いため、
鈴虫の餌、野鳥飼育用のすり餌、当社取り扱いの、鳴く虫のエサの方が、
粉末タイプなので食べやすいと思います。
尚、鈴虫の餌は粉末タイプと顆粒タイプがありますが、
小さな種類は、粉末タイプの方が良く食べます。

(生餌)
肉食性(カンタン除く)の場合は、ミルワームが良いと思います。
ミルワームは普通サイズと、大型のジャンボミルワームの2種類
がありますが、普通サイズの方が、鳴く虫に適していると思います。
いずれも、ペットショップなどで販売しています。
臭いもなく、触っても噛みつかれません。
タンパク質に富み、管理 も楽で大変優れたエサです。
但し、脂肪分が多いので、与えすぎに注意が必要です。
キリギリス、ヤブキリ、ウマオイ、コロギスなどに適しています。

※エサはマットの上に直接置かない事。

エサをマットの上に置くと、餌の傷みを早めて、マット/も劣化させますので、
ペットボトルの蓋、小皿、小さなタッパーなどに入れて与えてください。

<水分補給>

エサの項目で少し述べてますが、野菜類を与えない場合は、水分補給が必ず必要です。
安全のため、カルキを抜いた水道水を使用してください。
ミネラルウオーターでも構いませんが、コストの問題があります。主な方法は下記の2点です。

①霧吹き

毎日軽く霧吹きをします。注意点としまして、虫に直接かけると嫌がりますので、
虫に水分がかからないようにしてください。
水分をかけすぎると、カビが生えることがありますので注意が必要です。

②コケ水

ペットボトルの蓋などにコケを入れて水を湿らせてください。
小さなタッパーウェアなどに入れても良いです。
霧吹きよりも良い点は2点あります。まず、比較的、カビが発生しにくいと思います。
そして、長持ちすることです。天候など条件にもよりますが、
3~4日は持つと思います。雨天続きの場合は、5~6日くらい持つときがあります。
デメリットは、真夏の高温時は、水が腐っている場合がありますので注意が必要です。
気温が高い日が続いている場合は、水をこまめに交換するようにしてください。
万が一、腐った場合はコケごと交換してください。

<世話の注意点>

小型種の世話をする際は、家具や物などがあまりない部屋で行うようにしてください。
物がたくさんある部屋で逃げられると、一瞬で行方不明となります。
逃げられた時のために普段から、カップや瓶,ビニール袋(透明なもの)
などを手元に用意しておいてください。そして、万が一、逃げられたら、
虫の行く手をふさぐようにして、カップなどに追い込んでください。

<放虫しないで最後まで飼う>

鳴く虫は地域ごとに少しづつ違います。もともと生息していない虫を他の地域から、
もって来て放すと、遺伝子撹乱になる可能性があります。
鳴く虫は生き物です。一度飼い始めたら、最後まで責任を持って飼育しましょう。